子猫のブログ

子猫の日々、興味を持ったこと

俺が料亭で働いていたときの話

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最近子猫の注目しているYouTuberさんに初村ちひろさんという方がいます。

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【ASMR/音フェチ】あにてぃ。さまをメイクアップ!

初村ちひろさんの恋人、ジェリーさんは東京都にお住まいのイタリアンレストランのコックさんです。

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ジェリーさんがツイキャスで話されたお話がとても面白かったのでご紹介したいと思います。

 

ssl.twitcasting.tv

俺が料亭で働いていたときの話

 

俺は今の職場では毒舌だけど、怒って感情で物を言わないように心がけている。

 

昔、高校卒業したての頃、ある料亭で働いてたときの話。

そこの料亭には広大な庭があり「宿坊」という結婚披露宴でも使えるくらいの大きな部屋があった。

俺は板前になる前半年近く、「営業」という仕事をさせられていた。

 

「営業」はどういう仕事かって言うと・・・。

料亭だからお姉さんが料理を部屋に持って行って説明するのだが、忙しくなってくるとお姉さんはAの部屋とB の部屋を掛け持ちで担当する。

お姉さんがAの部屋でお取り分けをしている間に「営業」の俺が板前さんに「Bの部屋のお刺身お願いします!」と連絡して料理の準備をする。

板前さんから「おい、Bの部屋の、できたぞ!」と連絡が来たら「ありがとうございます!」と取りに行き、Bの部屋までそれを持って来ておく。

 

そうするとお姉さんはAの部屋のお取り分けが終わってすぐBの部屋に移れる。A、B、A、Bと交互に移りながらスムーズにお取り分けができるという寸法だ。

 

たまにお姉さんが調理場に来て「ちょっと、ジェリーさん、ペースが速いわよ」とか「Bの部屋のデザートのタイミングだけどもうちょっと遅くしていいわよ」とか言ってくる。それを調理場に伝えたり、広大な庭の掃除などの雑用もしなきゃならない。

 

板前になる前にそういうお客さんと触れ合う仕事も大切だっていうことだった。

 

「宿坊」という大広間の担当はなかなか大変で、俺の同期の年齢が1,2歳上のやつが担当することが多かったのだが、夏休みに入る前のある週末仕事に行くと、そいつが風邪をひいて休んでいた。

 

朝、主任の赤岩さん(仮名)に

「おい、ジェリー、悪いんだけど、お前の同期のヤツが風邪ひいたみたいでさ、出れないんだよね。今日、お前、宿坊担当な!」と言い渡された。

しかも予約の書いてあるホワイトボードを見ると「宿坊」「宿坊」「宿坊」・・・。

四、五十人の団体客が押し寄せる超忙しい日だということがわかった。

そういえば、前日、赤岩さんとそいつが打ち合わせしてたな・・・。

 

(何だよ!出れないなら出れないで前の日から調子悪いんですみたいなフリしとけよ!)

 

俺は宿坊やったことないし、いつも小さい部屋担当だからポジション違うし・・・。

 

俺は意外と心配性なところがある。急に宿坊担当にさせられたことで気が動転していた。

 

(どうしよう、どうしよう、どうしよう。)

 

とりあえず、赤岩さんに確認した。「えっと、ここでスタートして、ここで挨拶、入るんですよね?」

最初は赤岩さんも優しい。

「ああ、そうなんだよ。そして、こういう風な感じで、こうで、こうでね、こうやって、こうやってな」と丁寧に教えてくれた。

 

「はい。はい。」

俺は赤岩さんの説明を逐一ノートに書いた。

赤岩さんは

「まあ、俺も色々見なきゃならない場所はあるけど、確かに急なことだから、サポートすっから。」

と言ってくれた。

「ああ、すいません。お願いします!」

俺は板前さんのところに行き

「こういうタイミングでこういう風に出すんで。お願いします!」と言って回った。

「ああ、わかったよ、OK!」

刺身担当や煮方の板前さんは大勢の団体客が来るため忙しそうだ。一人一人に料理の事を確認しに行く俺に

「なにっ!?」と大声で聞き返す。

「すいません、今日の団体のことなんですけど・・・。」

「ああ!」

「こういうタイミングで出すんで。お願いします!」

「あいよ!」

(恐ぇーなー!)板前さんも殺気立っている。

 

いよいよ団体客の来る時間が近づいてきた。

不安な気持ちで庭をうろうろしながら、今か今かと外の様子を伺っているとその時、団体客がぞろぞろ到着した。

(うわぁ、金持ちそうな奴らばっかだな・・・。)

並んで挨拶するお姉さんたち。

「いらっしゃいませー、いらっしゃいませー」

 

(はあ・・・。こんだけの人数でお出迎えするってことは結構すげー奴らなんだな・・・。)

 

こうしちゃいらんねーと思った俺は調理場に駆け戻った。

 

「宿坊の○○さま、お見えになりましたー!」

 「あいよー!!」

 

板前さんたちも一気に手が速くなり調理場はガタガタと騒がしくなる。

 

(すげー、こいつら・・・)俺の緊張も高まってきた。

それと前後して他の部屋の客も到着し始め全体的に忙しくなってきた。

 

俺は心配性だ。

何回も、何回も手順を確認した。

 

一人でノートを見ながら

「えっと、まずは前菜をこういう風にやって・・・」

イメージトレーニングを繰り返していた。

 

前菜は乾杯と挨拶の前に出しておく手はずだったので前菜までは順調だった。

 

椀物はその後、少しタイミングを遅らせて出すという打ち合わせだった。

椀物の出し方だが、まず俺がお盆にお椀をだーっと並べて板前さんに

「お願いします!」と出さなきゃならない。

 

しかし、初めての作業。

勝手がわからないし緊張している。

おまけに俺は心配性で何回確認しても安心できない。

赤岩さんは他の部屋のサポートでも忙しい中、俺の様子を見てイラッとしたのだろう、

「早く並べろよ」と言ってきた。

でも、挨拶がいつ終わるのか俺にはわからない。

挨拶が終わり次第、お姉さんから無線で連絡が来ることになっている。

待っている間にますます緊張してきた俺は

「えーと、お椀はここにあるでしょ、お皿はここでしょ・・・。」と確認を繰り返していた。

 

その時ふと、メニューのずっと先の料理のタイミングが気になってきた。

 

最後に1回だけ、ホワイトボードのところにいる赤岩さんに聞きに行った。

赤岩さんもホワイトボードを見ながら忙しさにカリカリしている。

「あのー、赤岩さん、すいません・・・。」

「なにっ!?」赤岩さんも殺気立っている。

「最後の方の、ここのタイミングって・・・」そう聞こうとした瞬間に

「お前はっ!いいから、お椀を並べろっ!」大声で怒鳴られた。

 

ビクンとはじかれたようになって、俺は「はいっ!すいませんっ!」と返事をした。

手は振るえ、鼓動は速くなり、俺は超ビビっていた。

高校卒業したてで右も左もわからず、俺も今ほど生意気じゃなかった。

 

(赤岩さん、めっちゃ怒ってんじゃん・・・)

 

俺の怒られる様子を見ていたお姉さんが

「ジェリー君、大丈夫?」と優しく声を掛けてくれた。

「はい・・・。」

 

(やめてくれよ・・・)

 

その優しい声がダムを決壊させるんだ。今、俺に優しい言葉を掛けるのはよしてくれ!

 

こんな風に始まったこの日の仕事だったが、昼の部も後半になってくると俺はコツがつかめてきて自分でも良くやったなと思うくらい仕事が捌けるようになっていた。

 

宿坊だけでなく他の部屋のサポートまで自主的にやり始めていた。

大事件が起きたのはその時だった。

俺は次、あれをやらなきゃ、と自分の仕事を頭に置きつつ、人の仕事まで手伝ってテキパキ動いていた。

 

というのは、もう一人、同僚でおじいさんと呼んでもいい年齢の「営業」がいたのだが彼のエリアが少し遅れ始めていたからだった。

 

「大丈夫っすか?」

「おお。」

「じゃあ、俺、これ運びますね!」

「ああ、悪いね!」

 

俺はアドレナリン、ガンガンに出まくって興奮状態。

テンション、マックス。

 

自分の仕事を後回しにして人の仕事まで手伝っているように見えて、赤岩さんは俺のことが気になったのかもしれない。

 

調理場に戻った俺を、同じく忙しさから興奮状態の赤岩さんが頭ごなしに怒鳴ってきた。

 

「おい、ジェリー!

お前、ちゃんとこれ、用意してんのかよっ!?

分かってんのか!?」

 

その時俺は無意識に

 

「分かってんだよ!うっせーな!」

と大声で叫んでいた。(らしい)

赤岩さんも朝のお椀の件が頭にあるから俺に対して結構ガツガツ来る。

その時は俺もしょんぼりしていたのだが今や乗りに乗ってる大興奮状態だ。

 

俺はその時のことは全く記憶にないのだが一瞬周りの空気が変わったことには気がついた。

お姉さんが目ん玉ひん剥いてこっちを見ている。

(あれ?何だ?ま、いっか・・・。)

俺は深く考えずに仕事を続けた。

 

その夜、仕事が終わって俺は担当した宿坊の掃除をしていた。瓶ビールを下げたり、皿を片付けたりしていると赤岩さんが俺のところにやってきた。

 

「ジェリー、ちょっといいか?」

「ああ、はい。」

 

「今日は、確かによくやったぞ?お前は。まあ、俺の言い方もよくなかったかもしれないけど、ああいう態度はよくないんじゃないか?」

「????うーん・・・。すいません、僕、なんかやりました?」

「うん・・・。だから、やっぱり上下の関係ってものがあるじゃんか。まあ、俺も悪かったぞ?」

赤岩さん、何の話をしているんだ?

 

「いや、ちょっとすいません、何のことかさっぱり分かんないんですけど?」

「は?お前、覚えてねーの?」

「はい、ごめんなさい、ちょっと分からないです・・・。なんか俺、言いましたっけ?」

「いや、俺が『分かってんのか!?』って言った時『うっせーな!分かってんだよ!』って言ったよね?」

「へ?俺、そんなこと、言いましたっけ?すいません!ごめんなさい!」

俺は即座に謝った。

赤岩さんは

「ああ、なーんだ、なんだ、無意識だったのか。じゃあ、いいや」と許してくれた。

そして調理場に戻るとお姉さんが

「あれー?ジェリー君てもしかして、元ヤン?」とからかってきた。

「もう、やめてくださいよー。俺、ほんと、覚えてないんすから!」

 

 

そんな昔話を今働いている店のオーナー店長にしたとき

「ああ、でも分かる分かる!」と言われた。

(嘘だろ?)

「いや、確かに俺、口、悪いっすよ?口、悪いし生意気かも知れないっすけどそんな無意識で怒鳴ったりしないっすから!」

「いや、さすがに『うっせーな』までは言わないよ?だけど先輩に対して反抗的な態度取る時があるよね?だって、俺にも最近そういう態度出したよ?」

「え?そうっすか?」

「いや、怒鳴ったり『うっせーな!』はなかったけど(はい、はい、うっせーな!)みたいな態度、俺も出されたよ?」と店長。

「え?そ-っすか?すんません・・・。俺、時々、意識が飛ぶ時があって。喧嘩するといつの間にか相手が倒れてる時とかあって・・・。そんなことありましたっけ?店長、すんません・・・。俺、だめだ・・・。ビリー・ミリガンだ!(アメリカの24の人格を持つ男)」

 

 

まあ、そんな会話もあったが実は俺は店長に「うっせーな!」という態度を出したときの事ははっきり覚えている(笑)

 

知らんけど!

 

(子猫の好きなブログ、「ホットワードでトレンドブログを書く考察」さまから最後の決め台詞をパクらせていただきました。)